9月30日(火曜) 深夜
昔、知人がミニスカポリスを見て「女性蔑視!」と言って騒いでいた。いちいちうるさい。
いま思うと、こういう人の口封じのために、「ブリーフポリス」も同時放映しておくべきだったのかもしれません。
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街を歩いてると、ユニクロの紙袋を提げた人をよく見かける。
これ自体はいいことなのだが、どうかと思う場合も多々ある。一目見てブランド物と分かる服(ラルフローレンとか)を着ながら、ユニクロの紙袋を提げている人たちである。OL風の女性に多い気がする。
「ブランド物は買うけどユニクロだって利用してるのよ」という心の余裕をアピールしたいんでしょうか。
だとしたら、ユニクロを着つつユニクロの紙袋を提げている正統派の人々に対して失礼千万な話である。本当に心の余裕があるなら、ブランド物と分からないシンプルな服(でも実は高価で無理して買った)を着てユニクロの紙袋を手にしてほしいものだ。
クイーンズコートとかの紙袋を後生大事に提げて歩くOLをよく見かけた一昔前。いま思えばいい時代だった。
…ぼくは何を着てもユニクロだと思われるので、悔し紛れに書いてみました。
ちなみにぼくは、ユニクロの紙袋は家にたくさんあるけど外出するときは決して使いません。
9月29日(月曜) 夜
以前、「マイカーの座席にレースカバーかけてるのって貧乏臭いよな」と知人が言っていた。
ぼくは車を持ってないのでよく分からないが、言われてみるとそんな気もする。いくらセルシオとかベンツとかの高級車でも、座席にレースカバーがかかってるのを見るとちょっとゲンナリする。フェラーリの座席にレースカバーというのもかなりマズいだろう。
ポルシェのシートに座布団が敷かれているのも同様にマズそうだが、それはまァさておき。
ぼくの実家の車は、座席にレースカバーなどかかっていなかった。
…こう書くと自慢話のようだが、そうではない。極度の貧乏性だったウチの親は、新車を買ったときに座席を覆っていたビニールをそのまま剥がさずに使っていたのだ。
これにはさすがに辟易したぼくは「ビニール剥がそうや」と何度も提案したのだが、そのたびに「座席が汚れて勿体ないでしょ!」と却下された。おかげで何年にもわたって、車に乗るときはビニールのゴワゴワシャカシャカに耐えるはめになったのだった。せっかくのビロード地なのに、こっちのほうがよほど勿体ない。
我が家は一事が万事こうだった。
電話機を買い換えたときも、ディスプレイ画面に貼ってある薄いビニールはずっとそのままだった(この前実家に帰ったときもまだ貼ってあった)。子どもの頃、家族でスキーに行ったときは、親はストック先端のキャップをはめたまま滑っていたのを思い出す。
やはり「処女膜をありがたがる世代」ってことなんだろうか。
そういや昔、急須の注ぎ口についているビニールキャップを外して親に激怒されたこともあった(付け直せば済む話なんだからそこまで怒らなくてもいいだろうと子ども心なりに思ったものだけど)。これについては、そのままにすべきなのか外すべきなのか、実は今でも知りません。
9月28日(日曜) 深夜
ぼくは子どもの頃からインドア派だった。
当時から出不精だったのもあるが、それより親の影響が大きかったように思う。両親ともに過保護だったので、「外で遊ぶと危ないから」と心配して家に閉じ込められがちだったのだ。
かといって遊具をたくさん買い与えてくれるわけでもなく、もちろん遊びに来てくれるような友達がいるわけでもないので、どうしても暇を持て余す。それでやむなく、モノがなくても可能な一人遊びを考えてはせっせと励んでいたのだった。
その一人遊びのひとつに、毛玉だらけの靴下を用いての「宇宙戦争ごっこ」があった。
というわけでぼくは、寝床で靴下を握りしめつつ、「敵機来襲!」だの「ヒューン!」だの「ドガガガーン!」だのと叫びながら一人遊びに没頭していたのでした。そのうちに戦いは熾烈を極め、ついには一人で飛び上がったりのたうちまわったりして。でも指先につまんでるのは靴下の毛玉ひとつ。
今振り返ると、ぼくの親は外で遊ぶ危険を心配してる場合じゃなかったと思う。
なお戦争が終結した後は、いつも決まって「宇宙の全てが無の砂漠へと化し」た。つまり邪悪な惑星も善良な惑星も全て滅びるのがぼく好みのストーリーだったわけで、当時からそういう片鱗があったのかもしれない(でも見方を変えると、毛玉が一つ残らずきれいに取り除かれただけ。意外に生産的な遊びだったとも言える)。
親孝行としての宇宙戦争。なんだか幼少時の自分が不憫でなりません。
9月27日(土曜) 夜
昨夜は我が家で飲み会をしていたので更新できず。
友人数人がウチに来たのだが、間の悪いことに途中でトイレの電球が切れてしまった。専用のランプなので近所のコンビニには売ってないし、深夜なので電器屋はどこも閉まっている。うわー、どうするよ!
我が家のトイレには窓がないので、戸を閉め切ると完全な真っ暗闇になってしまう。この状態だとおしっこがあらぬ方向に飛んでたりして、けっこう大変なことになってしまうんである。なので皆、少しだけ戸を開けて用を足しておったわけですが。
なにしろウチはワンルームマンションである。みんなが飲み食いしてる場所から、ジョージョー放尿している後ろ姿が視界に入ってしまうのだ。さらに悪いことに、そんな状況の中、ぼくは便意を催してしまったのでした。
そのうち、とうとう我慢しきれなくなってトイレに駆け込んだ。もちろん排便中は完全に戸を閉めるのだが、問題はその後である。真っ暗だと、お尻を拭き終わったあとの確認ができないのだ。その結果、どういうことになったかというと…
で、そのたびに飲み食いしてる連中と目が合ってしまい。…まさに地獄の飲み会である。
いやまァ、彼らにとってもたまったもんじゃなかっただろうけど。
「ときどきトイレの戸が開くたびに、使用済みの紙を手にした、下半身を脱いだ男の姿が視界に入る」
昨夜は悪酔いして吐くやつが続出したが、ぼくには無関係だと信じたい。
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さて本日、某企業コラムが更新されてます。
今回のテーマは「いまどきの京タイ」。先日行ってきたタイ王国の詳細をレポートしています。これさえ読めばきっと、タイ王国の全てが分かると思います。コンプリート・オブ・タイランド。
そしてお知らせです。
長期にわたって連載してきた「いまどきの京都」ですが、今回をもって終了ということになりました。今まで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。好き放題書かせてくれた某企業にも感謝(実は読者からのクレームがあってサーバから削除されている回もあるのですが…。この件についての問い合わせは受け付けておりませんのでご了承ください)。
というわけで、よければご覧いただけると嬉しいです。
9月25日(木曜) 深夜
会社帰りの電車の中、近くで男二人が喋っていた。
会話から察するに彼らはF社の社員で、電器店のブースにて自社のデジカメ販売を担当しているようだった(見るからにカメラオタクっぽい陰気臭い雰囲気)。
「ミノルタのデジカメ買った女性客、ムカついたよなー」
「そうそう! オレたちが説明してんのにミノルタのブースに行きやがって…」
「ミノルタの社員がちょっと爽やかでトークが上手いからって」
「レンズとか駆動系の性能はウチのほうが優れてるっつーの。なのにミノルタ買ってやんの」
「そうだよ! せっかくちゃんと説明してやってんのに!!」
「ほんと頭悪い女だよな。性能じゃなくて社員の雰囲気で選んでんだよ」
「ああいう女は放っときゃいいんだよっ! ああ世の中、馬鹿女ばっか」
頭悪いは君らのほうだと思います。セールスってそういうもんだろ。
9月24日(水曜) 深夜
依然としてちょっと風邪気味。
職場に行ったら、同僚が二人も同じように風邪を引いていた。急に寒くなったからだろうか。
それはまァいいのだが、みんなたいした風邪じゃないくせに病気自慢するのでおかしかった。
「オレ37度2分あってさあ…。ダルくて仕方ないよ」
「私は熱こそ測ってないけど、鼻水がすごくて。手持ちのティッシュ3袋使い切っちゃったんだもん」
「ぼくなんて昨日、葛根湯4回も飲みましたよ」
「オレもパブロン3回飲んだんだけど」
「…私なんてしんどくて、昨夜10時に寝たのよ」
「ぼくだって11時には寝ましたし、昼寝までしちゃいましたよー。それも4時間も」
この勝負、みんな自分が優勝だと思い込んでます。井の中の蛙…と言ったら蛙に失礼だろうか。
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でも風邪気味なので自分を甘やかそうと思い、夕食用にメロンと本物のビールを買って帰りました。おいしい!
こういうことをするからすぐ風邪をひくのかもしれない。セルフ疾病利得。
だれが得してるのか分からないけど。スーパーの店主か。
9月23日(火曜) 夜
急に涼しくなったのでさっそく風邪気味。あわてて冬布団を出した。
冬布団を出すときってなんか嬉しいのはなぜでしょうか。
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デパートのトイレで小用を足していたら突然、大きなクシャミが出た。ブワックショーン!!
おかげで鼻水がデローンと垂れ下がり、おまけに衝撃で身体が激しくブレた。そのときちょうど勢いよく放水していたものだから、おしっこがあらぬ方向に飛び散るわ(隣の人にかかりそうになって非常に気まずかった)、股間を濡らしてしまうわ、おまけに気が緩んで屁まででるわで大変なことになってしまったのでした。
で、あわてて隣の人にあやまっておいたわけですが。
「鼻水をデローンと垂らして股間を濡らした男から『ズ、ズビバゼン!』と謝罪さたうえ、屁までこかれる」
こんないいものを見られたんだから、こっちが見物料をいただきたいくらいだ。
…本日は風邪気味でしんどいのでこのへんにて。
9月22日(月曜) 夜
タイのことばかり書いて恐縮ですが、現地で見かけたお地蔵さんです。
さすが信心深い仏教徒のタイ人だけあって、たくさんのお供え物である。ジュースやら果物やら、果ては生エビのパック詰めまで。
それはいいのだが、仏さまが飲みやすいようにとの配慮だろうか。ジュースはすべて開封されたうえ、ストローまで差されているのだ。おかげで仏壇の前はまるでゴミ置き場の様相。
あと、仏さまのように偉大なお方なら、ストローなどなくてもジュースくらい飲めると思います。
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えーと、久々の海外旅行だったので嬉しいんっす。大目に見てください。
詳細については今週末のコラムでアップしますのでよろしくお願いします。
9月21日(日曜) 夜
タイと日本には2時間の時差があるので、帰国して数日は夜の寝つきが悪かった。
おまけに夜中にも目が覚めることがあり、「うわー不眠症だ!」と一人で大騒ぎしておったわけです。ひょっとして睡眠時間ゼロに近い生活になってるんじゃなかろうか? そういや日中も身体がダルい気がする。ああ、このままでは寝不足で死んでしまうかもしれない…。
そこで先日、少しでも寝つきやすいようにとCDを聴きながら寝床に入ってみたところ。
しばらくは目が醒めたままの状態が続き、「やっぱり寝られないなァ」とイライラしていたのだが、気がつけば翌朝になっていた。記憶の糸をたぐってみると、聴いていた憶えがあるのはCDの3曲目くらいまでである。ということは、寝床に入って10分少々でもう眠りについていたことになる。なーんだ。
本当はけっこう寝てるのに、自分ではほとんど一睡もしてないと思ってる人って結構いるんじゃなかろうか。
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さて昨日、某企業コラムが更新されてます。
今回のテーマは「いまどきの京洗濯」。京都の住宅街をめぐって、いろんな家の洗濯物をこっそり撮影してきたレポートです。我ながら趣味が悪いですが、かつてはゴミ漁りをしたことを思えば、今回などは非常に良心的と言えるでしょう。
よければご覧いただけると嬉しいです。
9月20日(土曜) 深夜
親戚の集まりに顔を出しておりました。
その中に次郎さんというおじいちゃんがいるのだが、カツゼツが異様に悪いのでいつも会話に苦労する。たとえば今日はこんな具合だった。
次郎:「ワシらの学生時代にはやんちゃ者が多かったもんや」
ぼく:「へえー、そうっすか」
次郎:「詰襟の制服着て、山高帽をびしっとかぶって、街を闊歩しとったもんや」
ぼく:「え? 山田五郎ってなに?」
次郎「はァ?」
「ヤマタカボウ」の発語が不明瞭だったせいで、ぼくには「ヤマダゴロウ」に聞こえたのだ。で、きっと「文金高島田」みたいなものかと思って訊き返してみたら、全然話が通じなかったのだった(ちなみにこれは10分以上経ってから判明したことである)。
だいいち「山田五郎をびしっとかぶってる学生」なんて、全然やんちゃ者じゃあない。お尻に五つ星。
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話は変わるが、読者の方から時折ものすごくお褒めをいただくことがある。
自分で例を挙げるのは赤面するが、あえて書いてみると、「素晴らしい文章です」「頭のいい人なのでしょうね」というのから、果てには「お人柄のよさがうかがわれます」というものまで。
ぼくの文章のどこをどう読むとこういう評価になるのか分からないが、とりあえずは嬉しいので、歪んだ笑みをニヤニヤ浮かべながらありがたく読ませてもらっておるわけです。
ここで「そんなことないですよ」と謙遜してイメージアップを図るもよし、「その通りです」なんてベタなちょいギャグでかわして「イノセントなぼくちゃん」をアピールするもよしなのだが、今回はこの事実を真摯に受け止めてみたいと思う。
まず指摘すべきなのは、当たり前のことながら「読者の方はぼくを文章上でしか知らない」し「文章なんて氷山の一角だ」ということ。
自分で言うのもナンなのだが、これだけ毎日のように書いていたら、自分の印象を文章で操作する術にはそれなりに長けてくる。今までの日記を振り返っても、なるべく嫌われないようにという意図は持ち続けていたし、手持ちの知識は乏しいなりに衒ってきたつもりである。それにまァ、国語とか作文とかレポートとかは、子どもの頃から唯一得意な分野だった。
ただ、人の能力にはいろんな側面がある。計算能力や記憶能力、運動能力、対人コミュニケーション能力、共感能力、創造力、第六感などなど。もしもぼくに多少なりとも長けている能力があるとするなら、それは「文章で自分の印象を操作する能力」ということになる。 それ以外の能力は極めて低いのに、「氷山の一角」(にしてはショボいけど)だけで全体像が勘違される可能性があるのではないか。
これらを図示してみると…。。
万事が数値化できるものではないとは思うけれど、とにかく言いたいのはですね。
総合的に見るとからっきしダメな人間でも、文章だけを読むと「けっこういい人なんじゃない?」なんて見当外れをしてしまう可能性が高いということ。いわんや「お人柄のよさ」なんて、なかなか分かるはずがない。人間なんて、実際に会ってもなかなか分からないんだから。
性格最悪気味のぼくが言うんだから確かである。文章だけで「お人柄」まで褒められても、ニヤニヤ笑いの陰に罪悪感を抱き続けるしかないわけでして。
でもまァ、「お家柄」なんかで判断するよりは多少マシかもしれませんけどね(って、風刺マンガっぽくてもっさいですか)。
9月18日(木曜) 深夜
昨日、職場で発表会があったんですが。
直前になって、発表者である同僚Sさんがぼくに言ってきた。「腕時計忘れたからちょっとだけ貸してくれないかな?」
発表を時間通りに進めるために腕時計が要るので、発表を聞いているだけのぼくに頼んできたのだ。しかし、ぼくの腕時計は革バンドの部分が恐ろしく臭い。ふな鮨みたいな臭いがするのだ。
で、こんなのを貸すのは恥ずかしいなァと思ってしばらくためらっていたら、Sさんは突然キレてしまったのだった。
「おまえってほんとケチだよなあ。もういいよ。別の奴に借りるよ!」
あー。あうあう。そうじゃなくて、ぼくはただ貴殿のことを思って…。
そしてそのまま現在に至り。「これでよかったんだ。ふな鮨腕時計がバレるよりは」と必死で自分に言い聞かせております。こういうときこそポジティブシンキングで切り抜けるのだ。
「ポジティブ」という概念が自分でもよく分からなくなってきてます。
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ところで、使い捨てコンタクトレンズの広告をよく見かける。
一日使ったら捨てて、翌日は新しいのを装着するというものだ。でも「使い捨てコンタクト」って、考えてみるとちょっと変なネーミングだなと思う。普通のコンタクトだって、何年か使ったら「使い捨て」だろう。
使い捨てカメラだってそうだ。どんな高級デジカメでも10年も経てば「使い捨て」である。
…いくらエコブームが高じても、最後のやつだけは「リサイクル」してほしくないですな。
9月17日(水曜) 深夜
大阪の外れに「大阪高等学校」という私立高校がある。阪急に乗ってると看板が見える。
聞いたこともない学校だが(もしOBの方がいたらすみません)、こういう名称を名乗られると一瞬、「大阪で一番有名なのかな」と思わされる。そういや子どもの頃、「日本大学」の存在を初めて知ったときも、日本で最高の大学なのだと思ったものだった。
それにしても大阪高校、「大きく出たなおぬし」という感じだ。調べてみると、こういう類は他にいくらでもある。
学校の名称にはとくに規制はないんだろうか。いやまァ、京都市内に建ってるのに「札幌東高校」なんて名乗るのは反則だという気もするが、「日本高等学校」とかだったら看板に偽りナシである。なんだかすごい有名校みたいじゃないですか。
ただ、このワールドワイドな昨今である。これしきで満足していてはダメだろう。
でも宇宙大学ならちょっと入学してみたい。アダルトビデオの勉強とかやってそうな雰囲気。
※ちなみに調べてみたら「国際宇宙大学」は実在するようで。せっかくの宇宙大学を「国際」でしばるとは勿体ない限り。
9月16日(火曜) 夜
NYテロ事件2周年、そして阪神優勝。
京都もご多分にもれず優勝セールで街中盛り上がっているが、どうせなら「良識派」の人たちが声を大にすればいいのにと思う。「悲惨なテロが起きた日から数日なのにどういうつもりだ」とか言って。
いよいよ良識派の人たちと手を組むときが来たのかもしれない。
−−−
あと、こういうことはあまり書かないことにしているのだが、「良識派」の人たちから抗議のメールをいただくことがたまにある。
NYテロ事件について、「ビル倒壊のシーンを見るたびにスカッとすると言っていた友人」のことを書いたときもそうだった。良識派のかたいわく、「被害者の心中も知らずによくそんなことを書けますね」。
当事者じゃないぼくに被害者の心中など分かるはずがない。そりゃあとてつもないショックや怒りだろうなとは思うが、それはきっと当事者にしか経験しえないものだろう。良識派の人たちは被害者の心中が「痛いほどよく分かる」「想像に難くない」のかもしれないけれど、ぼくには「想像に余りある」「想像を絶する」としか言いようがない。
そもそも遺族の心中がそんなに容易く分かってたまるものか。
それに、ビルが倒壊する瞬間の映像が未だに延々と放映され続けている事実。メディアが放映するのは視聴率が取れるからだ。そういや職場にも良識派っぽい婦人がいるが、彼女が言うには「何度見ても目を覆いたくなるわよね」。目を覆いたくなるんだったら見なきゃいいのに、何度も見てる。
こういう人たちの態度を見ていて何となく察せられるのは、きっと多くの人が「あの映像」のカタストロフィーにカタルシスをびんびん感じているということ。見るのがキモチイイから見ている、としか思えないのだ。
なのに、そういう自分を安直に合理化して「良識派」のさやに納まってしまう。そりゃあそのほうが楽だろうけど、なんだかなあと思う。「カタルシスを感じる自分」と「テロへの反感」との間にある葛藤を抱えながら自分なりに折り合いをつけていく、という作業を放棄しているだけなんじゃなかろうか。
…なんてことを考えて、一人でムッカーともっさりしていた当時なのでありますが。
冷静に考えると、良識派の人たちがいなくなったら世の中つまらなくなってしまうことに気づいて俄然あたふた。いやまァ、ぼくがあたふたする必要なんて皆無なんですけど。
9月15日(月曜) 夜
旅の疲れで17時間も寝てました。
そのあとは近所のコンビニに行ったり、部屋でゴロゴロ過ごしたり。やっぱり日本はいいなあ。
自分の部屋には発泡酒があるし、好きなCDも聞けるし、お気に入りのエロビデオだってある。おまけに洗濯機もあるから、いつだって洗濯し放題である。これを幸福と言わずして何と言おうか。ああ、日本人で本当によかった。
今回の旅で悟ったこと。それは、「オレは自分の部屋がとても好きだ!」という人生の真理である。
人間として一回りビッグになったのかもしれない。我ながら照れる。
−−−
さてさて、タイといえば果物の王様「ドリアン」でありまして。
もちろん小生も市場で買っては食べまくっておったわけです。
これで一個分
殻がついた状態だと人頭大のトゲトゲ果実だけれど、現地人が買うのはもっぱら写真のような「剥きドリアン」。ドリアンの殻は固いので割るのが大変なんである。
気になるお値段のほうは、一つあたり平均30バーツ(約90円)。高級果実として知られるドリアンだが、こうなると高級という概念がよく分からなくなってきますな。
で、味そのものはめちゃくちゃ甘いクリームみたいな感じ。強烈なのはやはり臭いで、例えるなら「都市ガスとウンコを混ぜてしばらく寝かせた感じ」だろうか。
まあ普通に美味しかったんですが、ホテルには持ち込み禁止だったので難儀した。といって路上で食べようとすると、ハエが寄ってきて大変な目に遭う。なので仕方なく、こっそり宿に持ち帰って食べることにしたわけですが。
部屋に臭いがこもるとボーイにバレるので、トイレで包みを開けて食べていたのだが、いかんせん臭いがウンコっぽいものだから、トイレにこもって頬張っていると何ともみじめな気持ちになってくるのだ。気分はまるでスカトロマニヤ。これが果物の王様なのか。
ちなみに現地人ガイドは「ドリアンは我々にとっても高級果実。ひとつ300バーツくらいします」とか言っていた。奴も観光客相手の「ぼり商人」の味方だったようで。クソ食らえだ。ドリアンでも食らえ。
ムカついたので、笑顔で穏やかに「いてこまっそワレ」と申し上げたところ、「オーライ、ノープロブレム」と返されてしばし脱力。
9月14日(日曜) 深夜
どうもおひさしぶりです。
この9日間、タイまで海外旅行に出かけておりました。バンコクやチェンマイあたりをひたすらブラブラして過ごしてました。
ただ、旅の後半は「屋台のタイ料理を食べては激しい下痢と発熱でヘタる」というのを延々と繰り返すばかりでした。一度などは、街中でおならをこいたら液状のウンコが出てしまい、あわててカバンで隠したらカバンまで汚れてしまい、ヤケを起こして途中で帰国しそうになったほどであります。
旅先で知った本当の自分=現地の生活に触れようとするとウンコがもれる。
−−−
あと今回の旅行を振り返ってみると、
1.屋台では日本語がほとんど通じないので前衛的な会話を楽しめた
ぼく:「どうもおいしかったです
相手:「ホワット?」
ぼく:「テイスツ・ソー・グッド!」
相手:「オー、サンキュー! アリガト!」
ぼく:「オーイエス。でも今日ぼく、ウンコもらしたんっすよねー」
相手:「オーケー! マタキテネ!」
2.朝はゆっくり寝たいけど一日ずっと寝てしまうともったいない、という葛藤の末
ぼく:(トゥルルルル…)「モーニングコール、プリーズ」
フロント:「ワットタイム?」
ぼく:「イレブン・サーティー、プリーズ」
フロント:「アハ? イレブン・サーティー? セブン・サーティー?」
ぼく:「イレブン・サーティー!」
フロント:「オゥ…。オーケー。バーイ」(11時半だったら自分で起きろよ、という雰囲気ムンムン)
3.日本に帰国して手荷物を受け取ったら、ナンプラー(魚醤)の瓶が中で割れていて大変なことに
バゲッジの扱いが乱暴だったようで、みやげに買ったナンプラーがバックパックの中で粉々になり、荷物のほとんどがナンプラー漬けになってしまっていたのでした。Tシャツのナンプラー漬け、カメラのナンプラー漬け。おまけに周囲には魚の腐った臭いが充満し、関空から京都への帰途では、通りすがる全員から振り向かれる存在に。
…とまァこんな感じの旅でした。今日は疲労困憊してるのでこのへんにて。またいつか詳細を書こうと思います。
9月5日(金曜) 深夜
金曜日なのでプチ狂気コーナー更新しました。
今回は自分の葬式を想像してセンチメンタルな気分になっている方が数人いました。あと、自宅の冷蔵庫の食べ物が天皇家からの預かり物だという勘違いも、なんだかよく分からないおかしさがありますねえ。
ほかにも上質のほんわか狂気がいろいろあります。よければ是非ご覧になってください。
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えーと突然ですが、明日からしばらく旅に出るため、プチ日記も夏休みになります。それに伴って、プチ狂気の投稿もしばらくのあいだ休止させていただきます。
自分探しの旅です。きっと「子持ちししゃもが好きな自分」「対人恐怖気味な自分」といった真の姿を再確認できるに違いありません。
9月14日に帰る予定なので、それまでは更新できない可能性が高いです。ネットできる環境があれば更新するかもしれませんが、とか一応書いておきます。
なお、某企業のコラムは毎週土曜日に更新されるので(前もって原稿送っときました。我ながら偉い)、よければご覧いただければ幸いです。
9月4日(木曜) 深夜
職場の先輩がマンション隣室の騒音に悩まされている。
深夜3時頃になると、いつも決まって「となりのトトロの電子音」が大音量で鳴り始めるそうなのだ。それも30分以上延々と。
何の音かは分からないが(目覚まし時計か携帯の着メロだろうとのこと)、おかげで瞬時にして目が醒め、するともはや寝付けず、トトロの電子音に延々と耐え忍ぶことになる。耳栓を試してみるもこの程度で防げる音量ではなく、ガンガン頭に鳴り響き、しまいに気が狂いそうになるのだと。まさにトトロ地獄である。
そこで先日、たまりかねて隣室に貼り紙したらしい。「夜中の3時にトトロの電子音を鳴らすのは非常識です!」。
深夜にトトロの電子音を鳴らすのは確かに非常識だと思うが、それよりここまで具体的な貼り紙のほうが楽しい。
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全然関係ないが、ぼくが高校1年生のとき、ガイジンの先生がクラス担任だった。
日本語はまあまあ上手に喋れるのだが、しょせんはガイジンである。どこか「通じない」ので進路相談のときなどは不安を覚えたのを思い出す。あと、いつもつまらないジョークを言うのだが、反応がないと機嫌が悪くなるのでみんな仕方なく大げさに笑っていた。…とまァ、そんな先生だったわけであります。
そんなある日(たしか夏休み直前だったと思う)、ホームルームの時間に学年通信のプリントを朗読することになった。で、みんなで順番に少しずつ朗読するように命じられ、そのうちぼくの番が回ってきた。
とりあえず該当の箇所から文章を音読した後、ちょうど段落の区切りがあったので読むのをやめた。次の人にバトンタッチと思ったのだ。
で、しばらく黙って過ごしていたら、ガイジンの担任が突然ぼくにささやいたのだった。
「アー、コレ、“ジンセイ” ネ…」
なんのことか分からず一瞬混乱したが、理由はすぐに分かった。次の段落の書き出しが「人生のなかで〜」だったんである。つまりガイジンの担任は、ぼくが「人生」という漢字を読めずに詰まっていると思い、読みかたを「教えて」くれたのだった。
なんでガイジンに「人生」のふりがなを教えられなきゃならないんだよ。
9月3日(水曜) 深夜
なにやらまたウイルスメールが大流行しているようで。今度は Sobig.F ですか。
ホームページを公開してると結構な量のウイルスが配信されてくるのだが、今回はちょっとひどい。ほうっておくと一日に1000通近くやってくるうえ、それぞれに添付ファイルがついているからたまったものではない(メールソフトで受信できる限界をすでに超えているので、先日は手動でサーバから直接削除する作業に追われてました)。
やむなくウイルスメール対策を強化しているので、件名に英語が使われているとサーバから即削除されてしまうかもしれません。たとえば"Thank you!"なんて件名でメールくださってもこちらには届かないので、どうかご了承ください(こんな人いないと思いますが。いらっしゃったとしてもきっと、お互いお近づきにはなれない気がします)。
あと、ぼくのメールアドレスを騙って送信しているウイルスメールもあるようですが、いきなり英語の件名でメールしたり、添付ファイル付きを送ったりすることはありません。万一こういうメールが貴殿に届いても、それは第三者が勝手に自動送信したものです。添付ファイルを開封するとウイルスに感染していろんな人に迷惑をかけるので、迷惑をかけるのが好きなかたは迷わず開封してください。
以上、取り急ぎのお知らせです。関係ないかたにはつまらないお知らせで申し訳ないです。
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ところで最近、デジカメのバッテリー持続時間がどんどん短くなってきた。
おそらく充電池のメモリー効果(完全放電しないまま使用&充電を繰り返してると容量が少なくなってくる)のせいと思われる。デジカメは使用電力が大きいから、完全に使い切ったと思っても実はけっこうな電気が残っているらしい。
これを解消するには、いったん完全に放電してから再充電すればいいとのこと。そのためには使用電量の小さい製品を用いて、残っている電気をギリギリまで使い切らねばならない。
そこで「使用電量の小さい製品」を探していたのだが、ちょうどいいモノが見つからないのだ。たとえばテレビのリモコンなどは消費電力が少なそうだが、少なすぎて一向になくなる気配がない。それに、意味なくボタンを押し続けてると莫迦らしくなってきて、癇癪を起こしてリモコンを叩き壊したい衝動にかられてしまう。
というわけで結局、「鼻毛カッターを回し続ける」ことに落ち着いたのでした。デジカメを使い終わった充電地でも十分動くし、刃を外すと現在も30分以上回り続けている。
独り暮らしの部屋で延々と回り続ける鼻毛カッター。ミュイーン、ミュイーン…。
ああ気が滅入る。なんで充電池ごときにこんなつらい思いをしなくちゃいけないのか。
9月2日(火曜) 深夜
同僚の女性が「明日、海水浴に行くんですけどォ」と愚痴り始めた。
「私デブだから水着になるのが恥ずかしくて。でもダイエットなんて今さらできないし…」
いや大丈夫である。こういうときこそ頓智を働かせて、水着に少々の工夫をこらせばいいのだ。
たとえば水着の両端に「海水浴場の風景写真」をプリントすれば、その部分は背景と同化する。そうすればとら不思議、海岸付近に立つだけで魅惑のボディラインとなるのである。
たとえばこんな具合である(やっつけ仕事ですみません。もっと精巧にすれば実用化できることでしょう)。
海水浴場のロケーションによって「南紀白浜タイプ」や「湘南タイプ」、もしくは「琵琶湖タイプ」といったラインナップを用意すると一層いいだろう。この水着さえあれば、憧れの「ウエスト30cm」だって簡単である。
海の家なんかに入ったときどうするか、という問題は残るが、水着メーカーのさらなる努力を期待したい。