2003年1月のプチ日記

1月30日(木曜) 夜

 知人が「熱がある」といって騒いでいた。「インフルエンザの前兆かも…。医者に行ったほうがいいかも…」と。

 しかたないので何度あるのか訊いてみたところ、36度8分とのことだった。なんだよ平熱じゃないか。

 だが本人いわく、「いつもは35度ぴったりくらいなんだよ! 34度台のことだってあるんだから!」。

 あのー、いつもが不健康なんじゃないでしょうか。確かに医者に行っておいたほうがいいかもしれません。

−−−

 でもぼくもこれに似たところがある。

 いつもたいてい体調が悪いので(風邪気味だったり二日酔いだったりうつ状態だったり)、たまに調子がいいと、なんだか自分が自分でないような感じがしてくるんである。調子の悪さこそがオレのアイデンティティー。

 もちろん医者には行きません。ぼくにとっての「調子の悪さ」は、イチローにとっての野球みたいなものですから。

 

1月29日(水曜) 夜

 会社から帰る道すがら、四条河原町の電光温度計を見たら−3℃だった。なんですかこの寒さは!?

 で、帰宅して部屋に入ったとたん、あまりの熱さにびっくりした。顔面は火照り、耳たぶは灼熱で焦げそうである。うわー。

 部屋の温度計を見たら9℃だった。まったくヤケドするかと思いました。

−−−

 最近、スパムメールがじゃんじゃん届いて閉口している。

 おまけに、この手のメールには決まって添付ファイルが付いているので(おそらくウイルスだろう)、たいてい100KB以上あるから腹が立つ。我が家はいまだにダイヤルアップのISDN回線なので、受信するのに時間がかかって仕方ないんである。これがブロードバンドだったらアッという間に受信されるんだろうなァ。

 …と余計に腹を立てていたのだが、メリットもあることに気がついた。スパムメールは受信に時間がかかり、画面右下の「通信状態アイコン」がずっと点灯し続けるので、メールソフトを開かなくてもそれと分かるのである。

 いやまァ、スパムメールだと分かるだけなんですが。

 その後メールソフトを開き、手動でこつこつ削除しております。

 

1月28日(火曜) 夜

 昨日までインフルエンザで職場を休んでいたYさんが出社してきた。

 ずっとマスクをしているので理由を訊くと「みんなに伝染すと悪いから」。おお、いい人である。

 だが元気なはずのBさんも同じくマスクをしていた。こちらは「インフルエンザ伝染されたらいやだし」とのこと。なあんだ。

 でも、ぼくもきっとBさんの世界の住人です。不愉快な仲間たちが見つかって嬉しい。

−−−

 ところで、オーケストラの指揮者をやってみたいとふと思うことがある。もちろんフルオーケストラである。

 演奏曲目は次の通り。

 髪の毛を振り乱しながら、額に汗をにじませながら。

 

1月27日(月曜) 夜

 まだ月曜日ですか。いつも遠い、週末までの道のり。

−−−

 今朝、駅ホームで電車を待っているときギョッとした。

 最前列から2番目に並んだのだが、先頭の男性(ぼくの前の人)がずっとホーム内側を向いていたのだ。おかげで、電車を待っている間中ずっと至近距離で対面し続けることになり、あまりの居心地の悪さに吐き気まで催してきたのでした。

 さては「後ろから線路に突き落とされないか恐怖」の人だったんだろうか。ホームに背を向けていると、誰かに突き落とされないかと不安でパニックに陥る神経症である。おお、ごくろうさま。

 …とねぎらいたいところだが、ぼくも神経症なら負けてはいない。視線恐怖(視線が合うのが恐い)の気があるので、対面されるとオドオド挙動不審になってしまうのだ。この勝負、「突き落とされ恐怖」vs「視線恐怖」と見たり! 恐怖とか言うわりにちっとも迫力なくて莫迦っぽいけど。

 しかし今思うと、相手はぼくの挙動不審にヤバさを察知したのかもしれませんな。「コイツは何やらかすか分からんから内側向いとこう」と。これなら話は分かる。

 物事を被害的に考えると、たいていのことはうまく説明がついてしまう昨今です。

 

1月26日(日曜) 夜

 甘いものがとくに好きなわけではないんですが。

 たまに菓子など買うとアッという間に食べつくすので自分でもビックリする。とにかく、あればあるだけ食べてしまうのだ。

 たとえばガムがそうだ。一枚で数分しか味がもたないので、次々と口に入れてしまう。噛み終わったのを捨てるのがもったいないので「食べ足し」続ける結果、30分後には10枚全てが口の中で巨大な塊になっている始末。

 キャンディーだってそうだ。普通になめていれば5分や10分もつのだろうが、後半になるとバリバリ噛み砕いてしまうので2〜3分でなくなってしまう。その直後、すでに次のキャンディーをつまんでいる。気がつけば1パックのほとんどを食べ尽くし、口の中があちこち切れたように痛んでいるという体たらく。

 オトナであれば、ガムなら一日せいぜい4〜5枚、それも3時間くらいかけて消費するものだろう。よほど特別な日でも6枚程度が関の山ではないだろうか。キャンディーも一日に三分の一パック程度にとどめ、口が痛くなりかけたら「今日はこのへんにしておこうか…」と静かに袋のチャックを閉じるのがオトナというものではなかったか。

 ガムやキャンディーの空袋を前にして、我が精神年齢にふと疑問を抱いた週末でした。それがどうした、と言われればそれまでだけど、いくら歳を重ねても自分が思い描いていた「オトナ像」にちっとも近づいていない事実に唖然とする。

 

1月25日(土曜) 深夜

 近所のスーパーに食材をまとめ買いしにいった。

 ずいぶん迷った末、キムチ鍋の材料とうどん玉といういつも通りのものを買い揃えた。だが帰宅して袋を開けてみると、いくら探してもうどん玉が見あたらないのだった。買い忘れたのかと思ってレシートを確認するも、ちゃんと「ウドン」と印字されている。

 どこかで落としてしまったのか!?

 てなわけで家を飛び出し、自転車で来た道をさかのぼってうどん玉を探していたのでした。

 「四条河原町で自転車に乗りながらうどん玉を探している男」

 世の中にはいろんな人がいます。街中で隣を歩いている人も、実はうどん玉を探しているのかもしれませんぞ。

−−−

 さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京おにぎり」。いろんなおにぎりの作りかたを試してみたレポートです。作り終えたおにぎりはそのつど食べていたんですが、でかいのを6個も食べたら気分が悪くなりました。

 よろしければご覧くださると嬉しいです。

 

1月23日(木曜) 夜

 しんどいので体温を測ったら熱があった。いつも顔を会わす同僚がインフルエンザで寝込んでいるだけに心配だ。

 それに今、解熱剤を切らしているので余計に心細い。どうすればいいんだろう。

 そういえば以前、「タバコを吸うと体温が1度近く下がる」という話を聞いたことがある。よしこれだ! 病気になったらタバコを吸えばいいのだ!

 とりあえず今はビールを飲んでおります。

−−−

 それはさておき、飲酒(酒気帯び)運転をすると大変なことになるそうですな。

 運転してる本人に30万円くらいの罰金が課せられるのみならず、同乗者も20万とかの罰金になるんだとか。四人で90万円なんていう例もちょくちょくあるらしい。こんな法外な課金に我々は甘んじていていいのか(法律で決まってんだけど)。

 いやまァ、ぼくは車に乗らないので本当はどうだっていいのだが、せっかくなので言い訳を提案してみたい。飲酒運転でつかまったら涙ながらに訴えることである。

 「見知らぬ男に羽交い絞めにされ、無理やりビールを喉に流し込まれた上に肴まで詰め込まれたんですっ!!」

 これが認められて無罪になったら、「見知らぬ通行人を羽交い絞めにしてビールと肴を詰め込む凶暴男」が全国で急増しそうな予感。

 

1月22日(水曜) 夜

 朝の通勤途中、前を歩いていた男子高校生が定期券を落としたのに気づかず歩いていた。

 そこでとっさに拾い上げ、駆け寄って手渡したのだった。「これ落としませんでした?」。なんて親切なんだオレ。

 だが持ち主は、ぼくが差し出した定期を無言で受け取ってそのまま立ち去っていった。

 おかげでムカついて一日中腹を立ててました。おまえなんか交通事故で植物人間にでもなりさらせ。

 慣れない親切などするとまったくロクなことがない。

 そして自分の親切心の不純さを再確認。

−−−

 友人の携帯電話でメールを打たせてもらった。人生29年目、初めての経験である。

 慣れないぼくにとって、これがものすごく難しい。タイピングならそこそこ早く打てるのだが、携帯で打ってるともどかしくて仕方ないんである。こんなすごいことをみんな平気でやっているのか。

 だが、不便は発明の義母と言われるとおり(今ぼくが言った)。携帯メール用のキーボードを売り出せば、ぼくのようなユーザーに大人気を博すのではないか。小さくて見にくい画面をグレードアップするための大型液晶ディスプレイも同時発売するのがいいだろう。速度が遅いというエンドユーザーには、タワー型筐体に収めた高速CPUを販売する。

 これでキミの携帯もパソコンと変わらぬ使い心地になるのだ(ホントに全く変わらないだろう)。

 持ち歩くには重すぎる、とおっしゃるかたは自宅に据え置いて使えばいい。ニュービジネスの余地ここにあり。

 

1月21日(火曜) 深夜

 知人に貸していた本が返ってきた。「おもしろかったのでアッという間に全部読みましたよ」。

 そうかそうか。こう言ってもらえるとこちらも嬉しい。そんなにおもしろかったならもう一度読んでみるか。

 …とページをめくっていたらびっくりした。モノスゴク恥ずかしい一文に下線を引いてあったのだ。ぼくにも失いたくないものはあるのでどういう文章だったかは書けないが、とにかくロマンティックというかポエムボーイというか、要するに「そういう一文」に線を引いていたんである。

 おそらく学生時代の自分の仕業だろう。足りない知恵をしぼって恋愛論とか考えていた当時のぼくなら引きかねない。

 くー、ぬかった! 知人もきっとこれを目にしたに違いない。だが気を遣って見て見ぬふりをしてくれていたのだ。わー。これからどんな顔をしてこの知人に会えばいいというのか!?

 こうなったら陽動作戦しかない。今度は彼に「どうってない文章にわざと下線を引いた本」を貸すんである。

 で、本が返ってきたら打ち明けるのだ。

 「実はオレ、どうでもいい箇所に下線を引いちゃうんだ。どうやら神経的な病気らしいんだけど…」

 ポエムボーイと思われるくらいなら潔く神経症を選ぶ。ちっとも潔くないけど。

 というか、自意識過剰って点において既に神経症レベルか。

 

1月20日(月曜) 深夜

 リップスティックを買い換えた。今日のメーンイヴェント。

 いつも愛用してる銘柄のやつを買ったのだが、帰宅して見てみたらパッケージにちりが積もっていた。

 ぼくが使ってるモノはたいていこうだ。「通好み」なんだと何度も自分に言い聞かせる。

−−−

 ぼくは筋金入りの小心者なので、いつもオドオドと過ごしているわけである。語尾だけは堂々と。

 だがそのせいで、上司からよく注意される。

 「もっと自分に自信を持たなきゃダメだよ!」

 やっぱり今のままじゃダメなんだ。…と、言われるたびにますます自信がなくなってくる。

 そしていつか宣告されるんでしょう。

 「君ねぇ…。もう少し自信持ってくれないとホント困るんだよ。もうどうしようもなくなるよ」 

 

1月19日(日曜) 深夜

 入院してる友人を見舞いに行ったら、隣ベッドのオバサン同士の会話が聞こえてきた。

 「この前ねェ、なんか有名な人に会ったんだよ」
 「だれよさ?」
 「息子と一緒にいたんだけど、アッって言ってねえ」
 「ふーん。だからだれなの?」
 「えーと、なんだっけ。ミスターなんとか。そうそう、ミスターチルドだったっけ」
 「ミスターチルドかい。なんか聞いたことはあるわ」

 ぼくも将来、こんなミドルエイジになるんだろうなァと身につまされました。

 しかしミスターチルド。よく冷却された人なんでしょうか。

 それともミスチルなんて略すのはもう古い過去で、いまはミスターチルドと略すのが主流なんでしょうか。

 ポルノグラフィ。スマッ。スピッ。

−−−

 エロビデオを観てたら知人から電話がかかってきた。

 観賞を中断させられたぼくは当然ながら機嫌が悪い。すると向こうもこれを察したようだった。

 相手:「夜遅く電話して申し訳ないねえ。怒ってる?」
 ぼく:「いや、いいよいいよ。それに怒ってないし」
 相手:「いま飲んでたもんだから、つい電話しちゃってねェ…」
 ぼく:「あー、気にしなくていいよ。ほんと」

 エロビデオのせいで気を使わせてしまい、こちらこそちょっと申し訳ない。でも言わない。

 

1月18日(土曜) 深夜

 最近食べすぎが続いているせいか、手持ちのジーンズがきつくなってきて情けない。

 とくにウエストが窮屈なので、街に出るときもジッパーの上のボタンを外してはいている始末。歩いているうちにジッパーがだんだん開いてくるので、気がつけばたいてい「半チャック」になっている。

 外出するときはハーフコートを着てるのでばれないのだが、本屋で背伸びして自然科学書とか立ち読みしてても下半身は半チャックだから調子がでない。無理してることをひしひしと実感させられて、ものすごく惨めな気分になってくるのだ。

 だが本屋のトイレにいったとき、半チャックにも利点があることを知った。3分の2ほど開いていれば、ジッパーを降ろす動作をしなくてもそのままホースを取り出せるんである。おお、こいつは具合がいいや!

 …と上機嫌で放尿していたら、隣で用を足していた人から怪訝な視線を浴びてしまいました。しまった。

 「小便器の前にやってきて、ジッパーを降ろす動作なしにホースを取り出している男」

 これではまるで、いつもチャック全開で出歩いてる変態みたいではないか。

 人生、山あれば谷ありだということを痛感しております。というか、わが人生における山や谷はジッパーなのか。

−−−

 さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京リトル」。愛知県にある娯楽パークであるリトルワールドに足を運んできたレポートです。単なる旅行記になってしまってる気がして落ち込んでたんですが、よく考えたらこんなのを旅行記呼ばわりしてるほうが厚顔であることに気づき、ますますションボリしております。

 よろしければご覧くださると嬉しいです。

 

1月17日(金曜) 深夜

 奇しくも今日は誕生日でした。今日から29歳。ああ嬉しくない!

 なにがどう「奇しくも」なのか分かりませんけどね(去年の誕生日にも同じことを書いてました。奇しくも)。

−−−

 自分へのお祝いに服をいくつか買った。

 ギフト用なのでちょっとがんばって、雰囲気のいいセレクトショップっぽいジーンズ屋に足を運んだわけです。で、どうってことのないズボンを購入したところ、裾直しに30分ほどかかると言われた。ううむ30分か。店内で過ごすには少々つらいものがある。

 そこで近くにあるスーパーに入ってぶらぶらしていたら、ちょうどトイレットペーパーの特売日だった。ふだん398円のやつが198円、コイツは即買いだぜ!!

 …と衝動的に買ってから後悔した。安く入手できたのはいいが、このあとジーンズ屋の受け取りが控えていたのだった。小ぎれいなショップであるだけに、トイレットペーパーを両手に抱えて入店するのがかなり恥ずかしいんである。ほとんど営業妨害。

 でも今さらどうしようもないので、トイレットペーパーを小脇に抱えながら店に入り、逃げるようにして退散してきました。

 「自分らしさ」を追求してるってことにしよう。

 

1月16日(木曜) 深夜

 近しい友人が肺炎で緊急入院した。

 …というメールが本人から届いてビックリした。あわてて「だいじょうぶ?」と返事したら、「別にだいじょうぶじゃないけど」というメッセージが返ってきました。緊急入院した人には愚問だったか。

 こういうときこそ励ましのメールでポイントアップを狙うべきだろう。突然の入院という事態に気落ちしてる当人にとって、励みになるのは「前向きな考えかた」に違いない。ポジティブシンキング、略してポジシン!!

 そこで矢継ぎ早にポジシンメッセージを送信したわけです。

 あれから返信が一向にこないけれど、きっと「便りがないのはいい便り」ってことなんだろう。よかった。

 

1月15日(水曜) 夜

 こういう車庫入れを見るたびにびっくりする。

 

 車体と壁の隙間は15センチほどしかない。普通の縦列駐車すらロクにできないぼくにとって、これはほとんど神技である。軽トラを車庫に入れてる神様がいたら見てみたいものだけど。

 それに運転手はどうやって車から降りてるのだろう。助手席側に渡って降りてるのかとも思うが、こちらも隙間20センチ程度。かなりスリムな体型でなければ無理なのではなかろうか。

 それとも「スリムなオレ」をアピールしてもてようという魂胆か。ああ、ミエミエなんだよお前は!!

 しかしこのスペースでは、高級車はとうてい収まらないだろう。何かの拍子に金持ちになってランドクルーザーとかセルシオとかを駆るようになったら、いったいどうするつもりなんだろうと他人事ながら心配になってくる。

 あ、金にあかせて車体を丸ごと細く改造すればいいのか。妙に細長いランドクルーザー。妙に細長いセルシオ。お大尽!

 …と一瞬思ったのだが、よく考えたら、金があったら駐車場を改築しますね。すみません。

 

1月14日(火曜) 夜

 最近「一人キムチ鍋」を作って食べることが多い。とにかくカンタンなので。

  1. 鍋に水少々を沸かして味噌(ダシ入り)を溶く
  2. キムチ、白菜、ニラ、豚肉を放りこんでしばらく煮る
  3. 醤油とみりん、ラー油で味を整えて完成

 ただ、どうしてもスープが飲みきれず残ってしまう。そこでこのスープをタッパーに冷凍保存し、次回のキムチ鍋のベースとして再利用してみたらすこぶる具合がよかった。味にグッと深みが出るんである。

 以来、残ったスープは毎回冷凍して次回に使っているわけですが。

 気がつけば現時点でこれを5〜6回繰り返している。ってことは、週に一度のペースとして一ヵ月半、スープを使い回してることになる。これからもキムチ鍋は作り続けるだろうから、今のままでいくと5年モノ10年モノ、いや数十年モノのスープになるかもしれない。腐ったりしないかちょっと不安になってくるが、毎回沸騰させてるから大丈夫だろう。

 まるで「先代から受け継ぐダシを守り続けるおでん屋」みたいな話である(小さなタッパーに半分ほどの量だけど)。来客にはこのスープを使ったキムチ鍋でもてなすことにしよう。オエー。

 もし将来結婚して子どもができたら、誕生日のスープをとっておこうか。で、成人したら「これはお前の生まれた日のキムチ鍋スープなんだぞ」なんてって無理やり食わせるのだ。

 ぼくは子孫を絶やすべき人間なのかもしれません。

 

1月13日(月曜) 深夜

 近所のレストランで見かけた飲食店許可証。

 

 平成20年ってあるんですかねえ。あるといいですねえ。ぽくぽく。

−−−

 そういや少し前、天皇陛下の病気ニュースを見たらしい女子高生2人組みが電車で喋っていた。

 「ところで前立腺ってなんなのかなァ」
 「ほら、男の人のアレだよ」
 「アレって?」
 「もー、知ってるくせに!」
 「え? あの…棒のこと?」
 「ちがうちがう! その下についてるやつ!」
 「あー。でも見たことないからよく分かんないよ」
 「またまたカワイコぶっちゃって」
 「そりゃ○○子は彼氏いるから見たことあるんだろうけど」
 「……」(顔を赤らめる)

 おお、うぶなオナゴじゃのう。ワシが求めてたのはこれやがなっ!!

 …と言いたいところですが、ただ一点。前立腺を見たことある人は少ないんじゃないかと思います。

 それとも世のカップルは結構、彼氏の前立腺とか見てるのか!? 「ちょっと見てもいい?」なんつってメス持って。

 

1月12日(日曜) 深夜

 出身大学の知人に就職活動まっさかりのやつが一人いる。

 こんな時期になっても内定が決まってない時点でどうかとは思うのだが、それはさておき本日、励ましのメールを一言送ったわけです。

就活がんばってくださいね。

 このとき「就活」と書くために「しゅうかつ」と入力したのだが、ちっとも変換されなかった。そこでいったん「就職活動」と入れてから文字を削除し、「就活」していたのだった。略字を用いたばかりに、よけいに手間をとるハメに。くそーっ!!

 いやまァ、こんなこと、わざわざ全世界に発信することじゃないんですが。すみません。

 罪滅ぼしに寝ることにします。おやすみなさい。

 

1月11日(土曜) 深夜

 米国ではストレスマネージメントの社会的な態勢がえらく進んでいるらしい。

 たとえば事故などで家族を急に亡くした遺族に対しては、48時間以内にディブリーフィングを実施するよう定められているそうだ。「家族を突然失う」という精神的危機を乗り越えるのを助けるべく、精神科医なんかがチームを組んで実施するんである。

 ディブリーフィングというのは「事後の振り返り」というような意味で、ようするに茫然自失の遺族に対して、「事実を受け止め、自分の感情を客観視し、その事実を受容したうえで前向きに生きていける」ように支援するプログラムであるらしい。ふーん。

 ショックを受けている人たちにとっては、確かに意味のあることなのかもしれない。でも中には、アル中のうえに借金してまでギャンブルに明け暮れ、酔うと家族に暴力をふるうような父親が、ようやく事故で死んでくれたというケースだってあるんじゃなかろうか。

 で、残された家族が「これでやっと平和な暮らしを送れるね…」と安堵していたら、いきなりディブリーフィングに連れて行かれるのだ。これはたまったものではないだろう。

医者:「このたびはご愁傷です。あまりに突然の事故で動揺なさっていることと思いますが…」
遺族:「いえ、いいんです。きっと天寿を全うしたんだと思います」
医者:「事実を受け入れられない気持ちはよく分かります。でも自分の気持ちに正直になってください」
遺族:「正直言うと…、ちょっと嬉しいです」
医者:「えっ? いま何かおっしゃいましたか?」
遺族:「だから嬉しいんですけど」
医者:「ショックが大きすぎて錯乱状態に陥っておられるようだ。やはり入院が必要か…」

 このあとディブリーフィングに対するディブリーフィングが必要になりそうな予感。

−−−

 さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京明治村」。たまにはタイムトラベルということで、愛知の明治村を訪ねてきたレポートです。某企業のトップページは「いまどきの明治村」と誤記されてますが、面倒なので修正はお願いせずそのままになってます。

 よろしければご覧くださると嬉しいです。

 それにしてもいまさら明治村って。なにがどう「いまどき」なのか皆目分かりません。

 

1月10日(金曜) 深夜

 関節を痛めている同僚Sさんが病院に行ったら、湿布薬を処方されたらしい。

 で、医者から「寝るときも貼っておくように」と指示されたのだが、薬をもらいに受付にいったら「必ず3時間おきに貼りかえてください」と言われたんだそうだ。ってことは、寝てるときも3時間ごとに起きて替えなきゃいけないのか!?

 そこでSさんは受付に抗議したんだト。

Sさん:「先生からは寝るときも貼るようにって言われたんですけど」
受付:「でも3時間以上貼ってるとかぶれてよくないですから」
Sさん:「じゃあ夜も3時間ごとに起きろっていうんですか?」
受付:「とにかく3時間は守ってください。あとは先生の指示通りにしてくださればいいですから」
Sさん:「はァ!?」

 …という経緯があってSさんは「どないせえっちゅうねん!」とご立腹だったのだが、こういう状況こそニュービジネスのチャンス。「睡眠時全自動湿布交換機」を開発・作製すれば問題は一挙解決である。

  1. 就寝時に湿布を貼った後、マシンを装着して寝床につく。
  2. すると3時間おきにアームが動き、古い湿布をはがして新しいのを貼りつけてくれる。
  3. これで夢の「寝ながら3時間おきに張りかえ」が実現する。やったよチーママ!

 大掛かりなロボットマシンなど装着したら寝るどころじゃなくなるだろう、とおっしゃる向きもあろうが、強力な睡眠薬を飲めば大丈夫である。それに抵抗があるなら毎晩、前後不覚になるまで酔っ払えばいい。関節を早く完治させるためには、体を壊すくらいのことは我慢しなくちゃいけません。

 いまの技術で開発が無理ならドラえもんに出してもらうか。睡眠時全自動湿布交換ロボット〜!

 

1月9日(木曜) 夜

 勤務先に入社一年目のF君というのがいる。

 彼は入社当時から「気が利かない男」として上司から呆れられてた。たとえば来客が来てもボーッとしている。見兼ねた先輩があわててお茶を出していても、ただボーッとつっ立っていて何もしない。ぼくも同じようなタイプだったからよく分かるのだが、これでは会社の中でうまくやっていけない。

 案の定、F君はことあるたびに、「先輩に雑用させてちゃいけないだろ」とか「もっと自分から動かなくちゃ」とか叱られていた。根は繊細な彼にとって、これはかなりキツい言葉だったのだろう。

 しばらく経ったある日、みちがえるように動くF君の姿を社員食堂で目撃した。数十人分のみそ汁が入ったポットを運ぶ食堂のおばさんのもとに駆け寄り、「ぼくが持ちます!」と横取りして所定の位置まで運んでいたのだった。当のおばさんもただポカーン。

 「食堂のおばさんからみそ汁ポットを奪って運んでいる正社員男性」

 周囲にはただならぬ雰囲気が漂いはじめ、他部署の人たちは口々に「なんでアイツみそ汁運んでるわけ?」「ちょっとマズいぞこれ」。哀れなF君は一瞬にして、「ちょっとヤバい人」の名を欲しいままにしたのでありました。人事部長はひたすら沈黙。

 食堂のおばさんも先輩といえば確かにそうなんだけど。

 善人がバカを見る世の中はやっぱり楽しいなァと思います。

 

1月8日(水曜) 夜

 毎朝、同じコンビニでカレーパンを買っている。

 同じ時間帯なので担当の店員もたいてい同じである。これだけ頻繁に顔を会わす人など職場にもいない。気がつけば常連客になっていてちょっと照れくさい。

 で、当然ながら向こうもぼくの顔は覚えているはずなのだが、いつも同じセリフをやりとりしているのだ。

 店員:「パンは温めますか?
 ぼく:「いえ結構です」

 かれこれもう500回は繰り返しているだろうか。これはどう考えても莫迦同士の会話である。接客マニュアルで決まっているのかもしれないけれど、そろそろ学習してやめたらどうなのか。

 …と思っていた矢先。ふと店員の手元を見てみたら、「パンは温めますか?」と言いながらパンを袋に入れていたのだった。くー、やられました。なにをどうやられたのか分からないけど、この一杯食わされた感。

 今度ためしに「じゃあお願いします」と言ってみようか。…いやまァ、ぼくにはそんな勇気ないんですけど。

 そしてきっと、これからも毎日続くのだろう。

 「パンは温めますか?」
 「いえ結構です」

 

1月7日(火曜) 深夜

 たまには政治っぽい話も書いてみたく思い。

 テレビを見てたら、北朝鮮の人たちが「一致団結」しているようすが放送されていた。各国から経済的な圧迫が強まるなか、今こそ国民一丸となってがんばりますぞ! という熱いメッセージである。

 で、大勢の国民が整列する前で、いろんな人がそれぞれ決意を表明しておったわけです。

発電所の親分:「親愛なる金日成様のため、我が国の威力を世界に知らしめるため、去年の倍の電気を発電します!」

農家の親分:「偉大なる金日成様、三毛作、いや四毛作して一年中野菜を作ります! 肉弾となって革新の炎を燃やします!」

 いいなァ。ものすごくいい。今こそ全国民が立ち上がるときなのだ。

 北朝鮮ではきっと、次のような逞しい光景が繰り広げられているに違いない。

養鶏場の親分:「偉大なる金日成様のため、毎日猛烈にニワトリを育てまくることをここに誓います!」

清掃所の親分:「我が国の威力を世に知らしめるべく、ゴミとともに燃え尽きるつもりで処理しまくる所存であります!」

 バスの運転手は激しくバスを運転しまくり、ソムリエは激しくワインを嗅ぎまくる。これが一致団結のパワーなのだ。

 ぼくも北朝鮮の同志なら、とてつもない激しさで昼寝したり、鼻毛をカットしまくったりしていることだろう。

 国威を知らしめるべく、発泡酒を飲みまくる用意だってできてますぞ。

 ああ、熱い魂がこみあげきたぜ! 今日の日記が社会風刺だと思われたってもう構いません!

 

1月6日(月曜) 深夜

 後輩S君が以前、「オレってカマンベールチーズが好きなんですよ」と言っていた。

 そのときは「しゃらくさい奴め。ぺっぺっ!」と本気でムカついていたのだが、先日誤解が解けた。彼はQBBベビーチーズのカマンベールが大好物なのだった。ああ、なんていい話なんだ。好きだよS君!!

 まぁオレは、QBBはプレーンチーズ派だけどな。

 ぼくの対人評価はたいていこんなことで決められてます。

−−−

 そして先日の愛知旅行で見かけた看板。


ほう‐りゅう【放流】 養殖のため稚魚を川に放し流すこと。(広辞苑第4版)

 トビウオやらイカやらを噴水の中に「放流」した輩がかつていたんだろうか。で、釣り目当ての客が殺到して大変な騒ぎになったりしたんだろうか。トビウオの噴水釣りやイカの噴水底引き網が横行し、ついには噴水トロール漁船までやってきて資源枯渇が問題になったりしたんだろうか。

 ぼくは大人なのでそんなわけがないことは分かっているのだが、でも噴水育ちのトビウオとかあったら食べてみたいニャー。

 ところで魚とくればネコというのも本当なのかニャー。ネコも実際は魚よりポークのほうが好きだったりして。

 

1月5日(日曜) 夜

 あー明日から仕事か。急にどっと疲れが出てきております。

−−−

 あくびは伝染るという話がある。

 言われてみると確かにそんな気がする。さらには、あくびが伝染るのは好きな相手に限られるとも聞く。

 でも先日、ものすごく嫌いな相手(それも男性)のあくびが伝染ってしまった。ほとんど同時にフワーッとあくびする形になってしまい、口をあんぐり開けてる最中に彼と目があったのだ。ものすごく気まずい一瞬。

 そこで慌ててあくびを飲み込んだのだが、相手もちょうど同じタイミングであくびを飲み込んだ結果、動作がちょうどシンクロしてしまったのだった。最悪である。

 なにより、相手に「ホントはオレのこと好きなのかよ」とか思われていたら…と考えると悔しくて気が狂いそうになる。

 頼むからイイカゲンな風説は流さないで欲しい。誰に頼めばいいのか分からないけど。

 

1月4日(土曜) 夜

 一日ぐだぐだしてました。部屋の掃除したり、近所をぶらぶら散歩したり。

 散歩してたらこんなのを見かけました。

 

 こんなモノを見ると、ぼくなどはもう、ありとあらゆることを考えて暴発寸前になってしまうのであります。こうやって握って、こうやってくわえて、最後はこんなことになって、うわあー、小生はもう……!!

 ただ、教授というからにはかなりのお歳なのだろう。個人的には教授ではなく助手とかで充分です。「ものすごい尺八テクニックを持っている老婦人」か「まだテクは未熟だけれど若い女性」か。

 えーと、もちろん楽器の尺八のことですよ。はい。都山流フェラ。

−−−

 そのあと京阪電車に乗ったんですが。

 売店で菓子パンを買ったガイジンが店員にお礼を言っていた。

 「トテモ オセワニ ナリ アリガト ゴザイマシタ!」

 この礼儀正しさはぼくたちも見習わなければと思いました。みんな菓子パンとか買ったときは言おうね。

−−−

 ちなみに某企業コラムのほうは、今週はお正月休みをいただいてるので更新されてません。

 あしからずご了承のほど、お願い存じ上げる所存やっちゅうに。

 

1月3日(金曜) 深夜

 大学院時代の知人と飲みに行ってました。

 久しぶりに会う人だったので、自分なりに気に入ってる居酒屋に行ったのでした。なにしろ来賓ですから。

 この店のなにが気に入ってるかというと、「よくもなく悪くもなくちょうどいい」んである。ハタハタの塩焼きもあるし、子持ちししゃももあるし、ネギトロだってある。それでいて日本酒のメニューは熱燗と冷酒と八海山のみ。したり顔で地酒とか並べまくってる「にわか通」な小ぎれい酒場などファックミーである。

 それでいて店員は、今日のオススメとかいちいちうるさく干渉してこない。ただ無愛想に美味しい肴と酒を出してくれる。こういう居酒屋が一番好きだ。うまい肴といい酒を出すのが「当たり前」という、それ以上でもそれ以下でもない淡々とした経営方針。イイネ!

 で、調子よく飲んでたぼくは、つい口走ってしまったのでした。「この店、どうってことなくていいでしょ!」

 店主から物凄く冷たい視線を浴びたような気がするけれど、きっと気のせいでしょう。

 

1月2日(木曜) 夜

 毎度明けましておめでとうございました。

 昨夜は実家に帰省していたので更新できませんでした。というか大晦日に朝まで飲んでいたので、家に帰るなり翌日まで熟睡してしまったのでした。で、そのままこちらにUターン。家には寝に帰っただけという、文字通りの寝正月である。

 家には親戚が何人か来ていたのだが、祖母や叔母さんからいろいろ説教されて一人ふくれていた。

 「お酒の飲みすぎはよくないわよ」
 「タバコも体に悪いからやめたほうがいいよ」
 「結婚はいつするつもり?」

 ったくうるさいなァー。酒もタバコも、説教されてやめれるくらいならとっくにやめてますよ。結婚の話題もタブータブー! ああ腹が立つ。

 気が弱くてただモナリザのような笑みを浮かべ続けている自分にますます腹が立つ。

−−−

 腹立ちついでに全然関係ない話題。

 友人A君の彼女がピルを飲んでいるらしい。彼女がいるというだけでも腹が立つのに、おまけに「付けないでいたしておられる」とは、想像しただけで愚息から飯を噴き出しそうである。ちくしょー。

 ただ、続く話を聞いてちょっとホッとした。A君いわく、「でもピル飲むと性欲がなくなっちゃうらしくてさァ…」。

 なんでもピルというのは、ホルモンバランスを「妊娠してる状態」にして女性の体をだまし、卵子が排出・着床されないようにする機序なんだそうだ。その結果、女性の体としては「妊娠中だからもう精子はいらないわよ」ってことになり、性欲も低減すると仮説されているんだとか。

 おかげで行為の回数も減少の一途をたどっていると聞くにおよんで、ぼくはこぶしを固く握りしめた。「よーしその調子だ!」。ピルを飲めば妊娠率が劇的に低くなるのも分かる気がするぜ!

 世のなかの仕組みは意外と、ぼくたちの味方なのかもしれません。ぼくたち=こちら側の住人。 

 


   2002年11月のプチ日記 

Otearai Webの表紙へ