2002年3月のプチ日記

3月31日(日曜) 夜

 昨夜はゲロを吐くのに忙しくて更新できませんでした。

 あと、某企業コラムは今週お休みです。企業側の事情らしいので、ぼくにはどうしようもありません。

−−−

 二日酔いをさまそうと近所をブラブラ散歩していたら、病院の駐車場にこんな掲示を見つけた。

 透析患者用の駐車場だから犬にフンをさせるな、ということらしいが、文脈のつながりがどうも妙だ。だったら、外科患者や耳鼻科患者の駐車場ならフンをさせても構わないんだろうか。こんな事実が発覚したら差別問題にも発展しかねない。

 それとも医学上のなんらかの理由で、透析患者には特別な配慮が必要なのか?

 「なんらかの理由」が何なのか門外漢のぼくには皆目分からないけれど、きっと複雑な医学的メカニズムが介在するんだろう。というか、そう信じたい。

 でも言ってることは犬のフンについて。

 

3月29日(金曜) 深夜

 おかげさまで Otearai Web も3周年を迎えました。今日サイト閉鎖したら3年坊主。

 それにしても、こんなものを3年間も続けているのかと思うと我ながら気持ち悪い。

 そういや以前の日記で、「両親がルームランナーを購入して数年経つが、毎日欠かさず室内ランニングを続けていて気色悪い。ふつう飽きるだろ」という風なことを書いた覚えがあるが、気がつけばぼくもまるで同じである。

 やはり血は争えないということか。ますます気持ち悪い。

−−−

 毎月の水道代がいつも同じなので気になっていたのだが、確認してみたらやはり定額制とのことだった。

 そうだったのか。いままで水道を倹約してたのが馬鹿みたいじゃないか。

 で、こうなったら思いっきり豪快な気分をエンジョイしようと、さっきから無駄使いしまくってみたんですが。

 豪快な気分になるというより、定額と知ったとたん無駄使いしまくってる己のケチさ加減に嫌気がさしてきました。

 やけワイン飲んで寝ることにします。あ、でもせっかくだから水道で薄めて飲もうかな。

 

3月28日(木曜) 夜

 最近いちごばかり喰っている。一日10個は腹におさめ、せっせと大便に変えている日々。

 実は今も、いちごを食べながらトムウェイツのCDを聴いております。しんみりと切なく、いちご。

−−−

 TVで「エンヤ」の音楽をよく耳にする。 

 音楽に疎いぼくはどんな歌手なのかと思い、「エンヤって何歳くらいなの?」と訊いてみたところ、「40歳くらいと違うかなァ」との返答だった。ふーん。

 だが、ここでふと心配になってきた。もし「エンヤ」というのがグループとかユニットとかだったら、ぼくはかなり恥ずかしいことを訊いていたことになる。これではまるで「U2って何歳なの?」と尋ねているのと同じではないか。

 そこで念のため「エンヤって個人だよな?」と確認してみたところ、失笑されてしまいました。訊くんじゃなかった。

 ひょっとしてグループかも、と一瞬思ったのは、きっと「SHOW-YA」のせいだ。畜生。

 SHOW-YA の呪い。こんな呪いはいやです。

 

3月27日(水曜) 夜

 寺町通りを歩いていたら突然、男の怒鳴り声が聞こえてきた。

 「おらァ、かばん開けろや!! なんなら今すぐ警察呼ぶぞ!!」

 なにごとかと思って振り向いてみたら、万引き犯を取り押さえた電器屋店員だった。相手は50歳くらいの弱々しいオバサン。襟元をつかんで、ものすごい剣幕で詰め寄っているのだった。うわー迫力あるなァ。

 …と思ってしばらく見ていたのだが、オバサンはかばんを抱きしめたまま一向に開けようとしない。その間も男は「なめとんのかァ!」「開けろやァ!」と凄み続け、気がつけば10分近くが経過していた。

 すごい剣幕のわりに、えらく気の長い店員である。 だんだん飽きてきたので、ぼくは場を後にしました。

−−−

 ここのところ、落ち込むような出来事が重なって参っております。

 こういうときに気分よく過ごせるよう、昔の人たちはさまざまな知恵を考案していたようである。

 たとえば「結婚式のときに雨が降ると縁起がいい」という言い伝え。祝いごとの日に雨が降ったら誰だって気が滅入るのが普通だが、そんな気持ちをなんとか和らげようと、「雨降って地固まるといいますし」なんつってゲン担ぎされるようになったのがその始まりらしい。

 ただ、ぼくとしては雨天の結婚式だけじゃなく、もっと幅広いニーズに応えてほしいものだと思う。そこで、こういうのはどうだろう。

 「悲惨な出来事ほどツイてる証拠」

 これなら、どんなことが起きたっていい気分で過ごせるだろう。

 こう見ると、先人たちが幅広いニーズに応えなかったのもよく分かる。

 

3月26日(火曜) 夜

 台所の天井の換気扇から油が落ちてくるようになった。

 ここのところ暖かくなってきたせいで、いままでこびりついていた油が垂れ始めたものと思われる。毎日「野菜いため」ばかり作っていたツケが今ごろになって回ってきたのだ。

 さっきも、風呂あがりに台所で洗い物をしてたら髪の毛に油が落ちてきた。おかげでもう一度風呂に入りなおすはめに。ああ腹が立つ。半殺しの刑!!

 ところで、誰に対して半殺しの刑なんだろう。自分に? それとも換気扇に? どっちもイヤなので、ただひたすらションボリ。

−−−

 星座のひとつに「かみのけ座」というのがある。

 星座に疎いぼくは詳細を知らないが、それにしてもゾンザイな名前だなァと思う。かみのけ座。高度な生命体が万一ここに存在したら「かみのけ星人」になってしまうんだろう。レーザー光線や反物質エネルギーを自在に操る、恐怖のかみのけ星人。

 逆に言えば、我々の太陽系だって、遠く離れた宇宙人たちに何と呼ばれているか分かったもんじゃあない。ひょっとしたら「鼻毛星雲の右下のほう」なんて扱いになってるかもしれないのだ。ああ心配だ。

 「鼻毛星雲の右下のほう」で、恋に落ちたり、借金苦で自殺したり。むごすぎる。

 

3月25日(月曜) 夜

 街中で便意をもよおしたのでデパートのトイレに駆け込んだらびっくりした。

 ものすごくデカいうんこが便器に鎮座していたのだ。うわー。

 こういったハプニングは小学生の頃こそ日常茶飯だったが、しかしここはデパートである。大きさから察するに、どう考えても大人のものと思われる。うんこを流さず放置する愉快犯がまだこの世に存在するのか!? それとも新手のテロなのか!?

 便意も忘れて見入っているうちに犯人の心理が分かってきた。なにしろ、ものすごくデカいのだ。長さ30センチ、直径4センチはあるだろう。あまりの立派さに、流すのがだんだん惜しくなってきたに違いない。

 そう考えると、目の前のうんこがなんだか貴重な存在に思えてきて、デジカメを取り出して撮っちゃいました。

 …というわけで今回、うんこの写真を公開する予定だったのですが。

 いざ画像を見てみると、あまりにもグロテスクで、いくらなんでもこれはマズい。そこで会社のパソコンで画像を取り込み、フォトショップで加工することにしました。フィルタツールの「パステル画」や「照明効果」などを駆使して、なんとか上品な形で提供できないものかト。

 その結果が下の画像です。

 大便のパステル画。こうして見るとデカさが判りづらいのが残念だが、モスバーガーのパンフとかにも使えそうな上品な仕上がりには満足である。かわいいよね。うん。

 いやーしかし。会社でうんこ画像を処理してるときは、上司にバレやしないかと寿命が縮みました。こんなに緊張感を持って仕事したのは初めてかもしれません。

 

3月24日(日曜) 夜

 コンビニで切手を6枚買ったら、一枚一枚ちぎって渡された。

 まったく勘弁してくれよ。こちとら切手をなめて貼るんである。おまえの手のエキスをなめなきゃならない身にもなってみろ。

 だいいち、切手を一枚ずつちぎるなんて、なんとスケールの小さい奴だ。男ならドーンと、6枚つながったまま、太っ腹に売りやがれ馬鹿野郎!!

 …と本日は、大いに憤慨していたわけでありますが。

 考えてみたら、切手をちぎるちぎらないで「大いに憤慨」してるぼくのほうがよっぽどスケール小さいかも。

−−− 

 知人のMさんはパソコンの類に興味が薄く、メールも10日に一度くらいしかチェックしないらしい。

 半月ほど前、このMさんに用事があってメールを出していたのだが、今日ようやく返事がきた。そこには次のように書かれていた。

 「メールありがとうございました。読んですぐ、こうしてお返事を書いています」

 もう半月も前の話である。が、向こうの誠意を無にするわけにもいかないので、やむを得ず返事を書いておいた。

 「さっそくのお返事、感謝しています」

 なんか釈然としないが、これはぼくの心が狭いからなんだろう。そうに決まってます。

 

3月23日(土曜) 夜

 少子化が進む昨今、どこの学校も入学者獲得に奔走しているらしい。

 私立高校では、制服のデザインを有名デザイナーに委託して人気を得ようとする動きが盛んだと聞く。「差別化の方向がまず外見にいく」若者世代の心理をうまくつかんだ作戦である。中高生に「内面」なんて期待するほうが間違いなのだ。

 おかげでファッショナブルな制服が増えつつあるのはいいのだが、客観的に見ると、どれも似たりよったりな感を受ける。気になって調べてみたところ、どの学校の制服もモリハナエとかヤマモトカンサイとかばかり。これじゃあ似るのも当たり前だ。

 肝心の「他高校との差別化」がないがしろになっている。これではいけない。個性ある制服デザインを前面に押し出すためには、もっと他校と違うデザイナーを頼むべきだろう。

 たとえばマンシングウェアーなら、制服の胸元にトレードマークのペンギンが刺繍されているわけである。荒くれた工業高校であっても、胸元にはペンギンが燦然と輝く。こんな格好でメンチ切ってもさまにならないから、非行防止にも役立ものと思われる。

 筋金入りの非行青年などは、刺繍を改造して「つり目のペンギン」にするかもしれない。だが、こんなのはちっとも恐くないので安心である。

 こんな風に一部のデザイナーのみを取りあげると、「だったらトラサルディの不良高校生はどうなのか」「ヤンキーそのものになってしまうんではないか」という向きもあるだろう。だが、トラサルディの刺繍は「うんこの上に犬が乗ってる」だけだから安心していい。ピンクハウスの制服を着てる不良は言わずもがな。

 有名デザイナーはやはり、将来の需要をきちんとつかんでいる。

−−−

 さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京おりがみ」。休日あまりにヒマだったので、久しぶりにおりがみを折ってみたレポートです。小学生にも嗤われそうな内容なのですが、ぼくの知能レベルを表しているということでよしとします。

 知的な優越感に飢えているかたは、是非ご覧くださるとうれしいです。

 

3月22日(金曜) 夜

 高級マンションに住んでいる上司のYさん宅で最近、「ヒュルルルル!」というすごい騒音がするらしい。

 あまりの音量に耐えかねて管理会社に調べてもらったところ原因が判明した。階下の住人が換気扇を回してるせいだというのである。

 といっても、換気扇の音がやかましいのではない。意外なメカニズムが働いていたんである。

 換気扇というのは「部屋の空気を吸い出す」仕組みになっている。だが高級マンションは機密性が高いため、部屋の窓を閉め切ったまま換気扇を回すと、空気を吸い出すばかりで新しい空気が入ってこない。

 すると、どこかから新しい空気を吸い込もうとする。Yさんのマンションの場合、唯一の開放部である火災報知器(煙を探知するために直径1ミリ弱の穴が開いている)から猛烈な勢いで空気を取り込み始めたのだった。

 その結果、笛の原理で「ヒュルルル!」とすごい音が鳴っていたという次第。

−−−

 …という話を聞いた我々。すると同僚のSさんが解決法を提案した。

 「じゃあ、換気扇をもうひとつ回してもらえばいいんじゃないですか?」

 これを聞いたYさんは「なるほど!」と喜んでいたのだが、ちょっと待て。

 換気扇は「空気を吸い出す」いっぽうなのだ。こんなことをしたら吸い出すパワーが倍増して、事態は悪化するばかりではないのか。ひょっとして「缶詰のシロップを出すときに穴を二つ開ける」のと同じ次元で考えてやしないか? 換気扇は単なる穴じゃあない。

 でも気の弱いぼくはずっと黙ってました。 正直言うと、これで騒音が倍増したら愉快だというのもある。

 

3月21日(木曜) 夜

 休日なのでベランダにふとんを干し、一週間分のほこりをたたき出していたわけですが。

 ふと下を見ると、階下の人もベランダにジーンズを干していた。おかげで、ぼくのふとんから出た「白い粉」がジーンズに大量付着してしまったのである。ひょっとすると、ほこりだけじゃなく陰毛とかも落ちたかもしれない。

  犯人はバレバレだから、気まずいことになるのは必至である。うわー。

 あわてて息を吹きかけてみたが、凡人の肺活量では階下までとても届きっこない。水泳などして肺を鍛えればいいのかもしれないが、それまでに洗濯物が取り込まれる可能性のほうがずっと高い。

 掃除機のホースを伸ばして吸い込むという手もあるにはある。が、万一気づかれた場合のことを考えると勇気がでない。「上の階から垂れてきた掃除機のノズルが自分の洗濯物を吸っている」、これはどう考えても尋常な事態ではないだろう。

 こうなったら、住人のポストにさりげなくメモ書きを入れておくか。

どうもはじめまして。本日は風が強かったので、隣のマンションからほこりや陰毛が飛来してましたよ。ベランダに干してあったあなたのジーンズにも付着していないかと心配です。/上の住人より

 ああ、ダメだダメだ。全然さりげなくない。

 …さっき確認してみたら、ジーンズはすでに取り込まれていた。そろそろ引っ越したくなってきました。

 

3月20日(水曜) 深夜

 ニワトリっぽい顔の女性を街で見かけました。

 今年の春は短そうだな、と直感的に思った。

−−−

 先日、飲み会の席で知人が言っていた。

 「お酒って、あまりおいしくないけどお酒だから飲むんだよねえ」

 味としてはお茶やジュースのほうがおいしいけれど、アルコールが入ってるからお酒を飲むというわけである。

 考えてみるとその通りかもしれない。ビールも日本酒も、初めて飲んだときはとてもまずかったのを思いだす。でも、それと同時に酔っ払っていい気分になる。「まずいけれど気分がよくなる」というのを繰り返すうちに、本来まずいものをおいしいと錯覚してるだけなのかもしれないなと思うのだ。

 純粋に味が好きなのならアルコールを抜いたっておいしく飲めるはずだろう。でも、「ノンアルコール焼酎」なんてものがあったとしても、こんなものは全然飲みたくない。アップルジュースとかのほうがずっといい。 

 逆に言えば、「痰壷の中に覚醒剤を入れたもの」を毎日飲んでたら、そのうち他人の痰がおいしく感じられるようになるのかもしれません。「まろやかだけどキックがあるんだよねー」「そうそう、ほのかな塩辛さがまったり広がるんだよね」とか言って。

 己の精液を彼女に飲んでほしいと願っている諸兄は、口に出すと同時に、相手にこっそり麻薬とか注射するといいかもしれません。どうやって「こっそり」注射するかは貴殿の腕次第。まずは蚊をてなずけるのが近道かもしれません。

 というか、こんな「近道」しか思いつかないからダメなのか。 女性読者の激減におびえつつ更新。

 

3月19日(火曜) 夜

 我が家から徒歩2分くらいのコンビニで強盗事件発生のニュース。わくわくするので嬉しい。

 犯人の特徴がぼくとソックリだったのでちょっと焦ったが、ぼくは普段チョッキを着てるので疑われることはあるまい。

−−−

 ある事柄が気になると、そのことばかりクヨクヨと考えてしまう傾向がぼくにはある。

 たとえば仕事で小さなミスをしたとすると、ミスしたことを延々と考え、苦悩し、後悔し、反省し、自分を責め、反芻し…というのを繰り返してしまうので、他のことがちっとも考えられなくなる。その結果、新しい仕事が手につかずに新たなミスを起こしてしまったりする。

 これではいけないと思い、先日、恥ずかしながら「こころの健康法」を紹介した著書をひもといてみた。そこには次のように書いてあった。

 「一つのことばかり考え込んでいる自分に気づいたら、そこから気持ちを離し、何も考えないようにしましょう」

 なるほど、何も考えないようにすればいいのか。よーし、自己改革だ!!

 …というわけでさっそく試してみたところ、「何も考えないようにしなくちゃ!」という強迫観念で頭がいっぱいになり、余計に仕事が手につかなくなってしまった。

 アカン人は、なにをやってもダメだということです。

 

3月18日(月曜) 深夜

 ベランダに出てみたら、階下の部屋からも女性のアエギ声が聞こえてきた。

 隣室のみならず下の部屋までも。うわー、ぼくのアパートはアニマルハウスだ!!

 なんだか悔しいので、こっちもゾウの音声テープを流してやろうかと思案中。

 「アン、アン、ダメェ」「パオーン」「アン!?」「パオーンヌッ!」「…」

 アニマル協奏曲。こんな地味ないやがらせしか思いつかないのが情けない。

−−−

 コンビニで買ったおでんで夕食。おいしい。

 そういや、母の手による実家のおでんはとてもまずかったのを思い出す。ちゃんと鰹節でダシをとったりしてるんだけど、「薄味のほうが素材の美味しさが引き立つのよ!」という持論により、おそろしく味気ないおでんになっていたのだった。

 そこである日、母が台所から離れたすきに「ダシの素」をおでんに振りかけてみたところ、妙に美味しいおでんに仕上がった。「今日のおでんはうまいな」とほめる父。「そういえばそうねえ」と嬉しそうな母。みんなまったくイイカゲンである。

 それ以降、おでんの日は「事前にこっそりダシの素を振りかける」のが日課になった。

 ぼくが一人暮らしを始めて以降、実家のおでんは飛ぶ鳥を落とす勢いでまずくなっているはずです。ざまみろ。

 

3月17日(日曜) 深夜

 「平日は毎日缶ビール2本」という自分ルールを決めていることは前にも書いたかと思う。

 だが、グッと飲み干してしまうとあっというまになくなってしまう。これではさみしいので、小さなコップに入れてチビチビ飲んでいる。飲み終わる頃にはすっかりぬるくなっているが、長時間楽しむためにはこれしかない。

 そういやイギリスでは、ビールを常温でちびちび飲むのが慣例らしい。ぼくは英国風ライフスタイルだったのか。

 いやまァ、ビールじゃなくて発泡酒なんだけど、これは自分なりのアレンジととらえたい。

−−−

 京阪電車の駅ベンチにこんな標語が掲げられていた。

 「駅も車内も我が家のつづき」

 ようするに「公共の場もキレイに保ってくださいね」と言いたいんだろうけれど、これってどうなんだろう。もし「駅も車内も我が家のつづき」というつもりで過ごしたら大変なことになりそうな気がする。

 電車の中で延々と独り言を喋り続けていると思えば、突然カンフーの真似をしたり。下手すりゃ警察に通報されかねない。

 …と書いてて気づいたが、これは標語に問題があるというより、ぼく自身に問題があるのかもしれない。

−−−

 さて昨日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京伊勢」。伊勢旅行のときに撮った「おまけ写真」を集めてみました。たまには旅行ポータルサイトらしく。でも京都とはちっとも関係なし。

 よろしければご覧ください。ショボい連載ですみません。

 

3月15日(金曜) 深夜

 探偵ナイトスクープで「ベーゴマ名人戦」の取材を見てたいそう興奮。

 ぼくも小学生の頃、ベーゴマやコマ回しが大好きだったのを思い出す(どちらかというとベーゴマよりも鉄ゴマのほうが迫力があって好きだった)。もちろん娯楽ではなく、コンペティションとしてやるのである。お互いにぶつけ合って、最後まで回っているほうが勝ち。

 当然ながら強く回せるほうが有利なので、がんばって右腕を鍛えたり。より強いコマにするため、接地点の先を研いだり。ヒモの品質も回転力に影響するので、ロウ漬けにして頑丈にしたり。うわー懐かしいなァ。

 てなわけで、当時の情熱を反芻して一人で盛り上がっているんですが、この歳となっては「コマ回しフレンド」など誰もいないのが寂しい。対戦相手がいないと、コマなど回していてもちっとも張り合いがない。

 こうなったら読者の皆さまに訴えるしかないのかもしれません。いままで「オフ会」の類から距離を置いてきたぼくですが、いよいよ獣が牙を剥くべきときなのかもしれません。

「Otearai Web コマ回しオフ」

 …すみません。やっぱりやめておきます。柄にもなく下町風情など気取ったぼくが間違いでした。

 とりあえず当面は、一人二役でコマ回しを楽しもうと思います。

 

3月14日(木曜) 夜

 ビールなどは基本的に「いつもの店」で買うことに決めている。会社帰りの道にちょうど酒屋があるのだ。

 ただ、すっかり顔を覚えられているので、毎日欠かさず購入するのがなんとなく気恥ずかしい。ひょっとすると「たまには休肝日もうけたほうがいいのにねェ」なんて思われてるかもしれない。そこで週に1〜2回は、手前にある別の酒屋で買うことにしている次第。

 で、今日は「別の酒屋」に立ち寄った日だったわけですが。

 缶ビールを提げて歩いていたら、「いつもの酒屋」の前でばったり主人に出くわてしまった。「いつもどうも!」と挨拶されるが、ぼくの手にはすでに缶ビールが。浮気がバレたような妙な気まずさが体をかけぬける。

 …いやまァ、「浮気の現場を目撃されて云々」なんていうスイートは経験は一度もないんですが、きっとこういう感じなんだろうな、と一人で納得しました。モテるってのもけっこう大変なんだよねー。ほんと。

 イメージトレーニングだけはバッチリですぞ! 

 

3月13日(水曜) 夜

 うちの会社のバイトに若いフランス人女性が入ってくるというので前から楽しみだったのですが。

 いざ本人を見てみたら「中国系フランス人」だった。どうみても中国人、というかベトナム人。

 これ以上書くと人種差別とか言われそうなので以下自粛。

−−−

 電車の中で親に叱られた子どもが泣きはじめた。

 しばらくグズグズ泣いているうちに、だんだん本格的に泣き始めた。

 「ウエーン! あたまが痛くなってきたァ〜!」

 なるほど、そういうことだったかと納得。ぼくも経験があるが、長時間泣いていると激しい頭痛が起こるのである。このガキの場合もきっと同じ事態におちいっていたのだろう。

 親に叱られて泣く→頭が痛くなる→ますます泣く→ますます頭が痛くなる→猛烈に泣く→猛烈に頭が痛くなる→……

 はたから見てるぶんには、とても楽しい光景です。 ぼくは子どもが好きだ。

 

3月12日(火曜) 深夜

 熊本旅行から帰ってきた上司が、うちの部署へのみやげ物に菓子詰を買ってきてくれた。

 だが、「熊本みやげ〜メモリアル・ピュアケーキ」と題されたそのパッケージには妙な見覚えがあった。ぼくが先月の伊勢旅行で部署に提供したみやげ物にそっくりだったのだ。

 それは「伊勢みやげ〜メモリアル・ピュアケーキ」。安くて無難そうな品をと思って買ったのだが、食べてみたらパサパサのスポンジケーキで非常に不味かった。無言で食べてる同僚たちにも落胆の色は明らかだった。さすがに申し訳なくなってきて「ヒドい味ですねえ」とフォローするぼくに対して、みんながただ曖昧な笑顔を浮かべるという代物だったんである。

 悪い予感は見事に的中。上司の熊本みやげを開けてみたところ、全く同じスポンジケーキが出てきた。

 だが上司がいる手前、「ヒドい味なんですよこれ」なんて言えるわけがない。ちゃんとお礼を言っておかなくては昇進にもかかわる。そこで上司の前で一口かじり、「けっこうイケますよこれ!」と演技しておいたわけですが。

 ふと見れば、「伊勢のメモリアル・ピュアケーキ」の経緯を知っている同僚たちが白い目でこっちを見ていた。ぼくの二枚舌がアッという間に周知の事実に。

 こうやって少しずつ「本当の自分」を理解してもらえるのでしょう。みんなに自己開示できてよかった。ピュアケーキ死ね。

 

3月11日(月曜) 夜

 小康状態につき缶ビール1本。家でおとなしくテレビとか見てました。

 NHKの「地球!ふしぎ大自然」を見てたら、クダクラゲというのが紹介されていた。彼らは何百匹と連なって長い列を作り、群体を形成するんだという。つまり、それぞれの個体が連結し、位置に応じて摂食や消化などを分業している。ほとんど「一匹の体節動物」である。

 そして全長は40メートルにもなるんだという。シロナガスクジラ(全長30メートル)をもしのぐ世界最長の動物。

 …と感動したのも束の間、厳しい自然界の掟に気づいて愕然とした。位置に応じて分業するのは確かに効率的で、生存にも有利だったんだろうけど、どこに位置するかによって個体の負担が大きく変わってくるのではないか。

 ぼくがクダクラゲだったら、どうせ排泄担当なんかになってるんだろうなァ。片時も休まず注ぎ込まれるウンコを掃きだし続ける日々。生殖担当の同僚たちを指をくわえてながめながら。

 ネガティブな気分を鼓舞したところで、そろそろ寝ることにします。

 

3月10日(日曜) 夜

 ここのところ大幅に体調を崩しており、日記の更新が不定期になるかもしれませんがご了承ください。

 さて昨日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京秘宝館(後編)」。三重の国際秘宝館のレポート第二弾です。

 よろしければご覧ください。

 ではおやすみなさい。酒も飲まずに10時に就寝。こんなの何年ぶりだろう。

 

3月8日(金曜) 深夜

 上司のおごりでカニを食べにいってました。

 焼きガニが勿体ないので食べずに残していたら、「早く食わないとマズくなるぞ」とか叱られながら。

−−−

 こういうところに書くのは気がひけるんですが。

 同僚のH君が、仕事の進めかたについて同期のF君から苦情を言われていた。

 「あのさァH君、そういう対応って心が狭すぎるんじゃないの!?」

 たしかにH君は融通が利かない。目前の些細なことがらに全神経が集中してしまう結果、視野狭窄となり、大局的な判断ができなくなってしまうのだ。こういう人を責めるのは、ちょっと可哀相なのではないか。

 …と思いながら見ていたら突如、H君が激怒した。

 「オレの心が狭いだって!? そんなことねーよ! 人の仕事に口出しするなよ!」

 心の狭さを指摘されたくらいで激怒するのは、あまりにも心が狭いと思います。

 

3月7日(木曜) 夜

 「ブロッコリーゆでるのって大変ですよねー」と知人に愚痴ったらキョトンとされた。

 だってそうだろう。あんなデカいものをゆでようと思えば最大級の鍋を出さなくちゃならないし、芯までゆでるためには常にひっくり返し続けなくてはいけない。大変な一品としか言いようがないじゃないですか。

 …と反論したところ驚かれた。 「え? 丸ごとゆでてんの!?」

 そのあと教えてもらったところによると、ブロッコリーは小さい「房」に切ってからゆでるものらしい。そうだったのか。そういう裏ワザがあったのか。

 で、さっき早速ためしてみたところ、これがものすごく快適でビックリした。放っておいても1分間でゆであがるのだ。すごい。というか、みんなはこんな楽チンな方法を使ってやがったのか。ああ腹が立つ。

 いや、「若いときの苦労は買ってでもせよ」と言われるとおり。ぼくのやってたことは間違いじゃなかったのだ。

 小生28歳。ちっとも若くないですが。

 

3月6日(水曜) 深夜

 四条通を歩いていたら、武富士のティッシュ配りに声をかけられた。

 「ご協力ありがとうございました!」

 手には2個のポケットティッシュ。いつもは1つなのに、どうして今日は2つなんだろう。

 …と思って手元を見てみると、裏面におなじみの顔写真が。

 先日逮捕された容疑者である。

 もう逮捕されたので、こんなティッシュを配る意味などないのだが、大量の在庫を抱える武富士にとってはそうも言っていられない。なんとか全部さばかなくてはと苦心した挙句、慌てて、「ご協力ありがとうございました!」といって2個ずつ配る戦略に打って出たものと思われる。

 この放火殺人事件の早期解決を望まない人たちが意外なところにいたのかもしれません。理由はティッシュ。

 

3月5日(火曜) 深夜

 こどもの頃、夜に大きな声を出したり笛を吹いたりすると、きまって親に注意された。

 「夜に大きな音たてるとコトリがくるぞ!」

 当時のぼくは親が何を言いたいのかよく分かっていなかったのだが、とにかく叱られていることは理解できた。漠然とではあるが、「夜に音をたてるのはよくないんだ。小鳥も来るし」と思っていたんである。

 それから数年が経ち、物心つく頃になってようやく分かった。「コトリ」は「子捕り」のことだったのだ。つまり、「夜に大きな音をたてると怖いオジサンに連れて行かれちゃうぞ!」という脅しだったわけである。これなら親の言い分もよく分かる。

 …と合点していたんですが。 今思うとなにか違うような気がしてならない。

 もしも子捕り(=誘拐犯)が家にやって来たら、抵抗する、もしくは警察に通報する糖の手段を講じて、我が子を守るのが親の務めだろう。なのに「子捕りがくるぞ!」なんていう脅迫。来たらあっさり身柄を引き渡すつもりだったのか!? 「やっぱりお越しになりましたか」なんつって。

 そういや祖母からは、夜に音をたてると「ヘビがくるよ!」と脅かされていたのを思い出す。小鳥やらヘビやらが訪れる夜。なんだか楽しそうじゃないですか。

 というか、「小鳥も来るし」と納得していた当時のぼくがよく分からない。子どもはとにかく莫迦である。

 

3月4日(月曜) 夜

 冷蔵庫の奥に1ヶ月近く前に買ったエノキダケを発見。

 とっくに腐っているかと思えば、むしろ成長していたのでビックリした。袋に収まらないほどの長さになっているのだ。

 「おひさしぶり、エノキさん。しばらく見ないうちにすっかり大きくなったね」

 おかげ本日はすこぶる機嫌がよいです。100円損したと思って見てみたら、逆に得していたんですから!

 上向きに成長しているのも微笑ましい。いつものぼくなら、頭を下向きに置きなおしてイヤガラセするところだが、今回は大きくなって嬉しいので大目にみてあげます。こんなに優しい気持ちになるのはいったい何年ぶりだろう。

 明日はキノコパーティーと洒落込みますぞ。

−−−

 ところで、こういうのってキノコマニヤの間では常識なんでしょうか。

 シメジやマツタケも、買ってすぐ食べるのはバカってことになってるんでしょうか。

 それとも我が家の冷蔵庫だけが「キノコが発育しやすい環境」になっているのか。これはこれで複雑な心境だけど。

 

3月3日(日曜) 深夜

 今日はひな祭りですか。ひなフェスタ。

 ひな祭りとは直接関係ないが、このまえ親戚で集まったとき、小学3年生の従弟が描いた絵がみんなに披露されていた。絵が上手なので先生にほめられたんだという。親バカさ加減にはあきれるが、それはさておき。

 その中の一枚に「オニの絵」があった(下の絵はぼくが再現したものです。デジカメを持参してなかったのが悔やまれる)。

 2本のツノがそれぞれ、いくつもに枝分かれしているのだ。恐ろしさを強調しようとしたのだろうが、これではまるで鹿である。「鹿っぽい鬼」、こんなものはちっとも恐ろしくない。やっぱり子どもは莫迦だ。

 あと、オニといえば決まってパンチパーマなのもよく分からない。中には七三分けのオニだっていたんじゃなかろうか。

−−−

 …と書いてるうちに気づいたが、「ひな祭りとは直接関係ない」どころか全く関係ないですね。節分かなにかとごっちゃになってました。

 ああ、世の中莫迦だらけだ。

 

3月2日(土曜) 深夜

 土曜出勤でした。もうイヤだ。

 疲れ果てて帰宅したら、部屋に妙な臭いが漂っていた。生ものが腐ったような不快なスメル。これはなにか悪いものが繁殖してるんじゃないか!?

 …と慌てて部屋中を調べてみたのだが、生ゴミは昨日捨てたばかりだし、洗い場だって片づいている。うわー、いったい何なんだ。ひょっとして得体の知れないバクテリアが侵入しているのか!?

 しばらく後、原因は分かった。ずっと放置していた洗濯物が悪臭のもとだったのである。「悪いものが繁殖している」というのは家主であるぼく自身のことだったようである。

 居心地のいい空間を維持するためには、住まないのが一番みたいです。

−−−

 そういやよく、「人間は宇宙船地球号の害虫だ」なんて言いかたがされる。増殖しすぎたうえに資源を食い尽くしたり、放射能をまき散らしたりしている人類は、自然界にとって害虫でしかないというわけである。

 まったく莫迦莫迦しい意見だなと思う。

 たとえば放射能だって、そもそもは宇宙空間にあふれている物質。「環境汚染」なんていうのは、あくまで地球上の生物にとっての利害計算なのであって、自然界(=宇宙空間)にとってはちっとも関係のないことなのだ。「緑を大切にしよう!」の類も、結局は人間の生存に必要だから大切にしているに過ぎない。

 人類の生殖に不利なことは全て「自然破壊」と言い切る、極めてポンチャックなエゴイズム。

 こういう横着がまかり通っている世の中は、ぼくにとって非常に心地がいいので大好きです。宇宙船地球号には、もっと猛烈にがんばってほしいと心から願っております。オレってナチュラリストだよねー。

 でも、本当に自然を尊重するなら、全面核戦争とか起こすのがいいのかもしれひんですね。地球全体が宇宙と同じく、放射能に満たされた「自然な状態」になる。エントロピー回帰。ぼくとしてもまァ、楽に死ねるのならやぶさかでないし。

 …柄にもなく本音を書いてしまったが、ワイン2本空けてヘロヘロだということで、どうかひとつ。 吐きそうな予感。

−−−

 さて本日、某企業の連載コラムが更新されてます。

 今回のテーマは「いまどきの京秘宝館(前編)」。三重の国際秘宝館のようすをレポートしてまいりました。

 ところで、某企業サイトのレイアウトが若干変更されており、「いまどきの京都」コーナーのトップページ画像が先週のままにされております(これじゃあ、まるで更新されてないみたいではないですか!)。さては、ぼくのコーナーの読者を減らそうという魂胆か。某企業の害虫コラムだけに。

 よろしければご覧ください。ぼくはこういうコラムをやりたかったのだと再確認しています。うん、これでいいんだ。

 

3月1日(金曜) 夜

 動物虐待を罰する法律があるらしい。

 犬やネコをとっちめてることがバレたら罰せられるわけだが、じゃあ「動物」の定義はなんなのだろう。

 分類学的にはミジンコやゾウリムシも動物であるが、彼らをとっちめたせいで処罰されたというケースはあまり聞かない。これは極論かもしれないが、ではトンボを分解した小学生はどうなのか。こんなのが警察沙汰になったら大変である。蚊の羽と足をむしってプチモスラにするのが好きなぼくだって処罰の対象になりかねない。

 動物とは哺乳類のことだよ、という意見もあるだろう。だったらネズミはどうか? ハムスターは? オオアリクイは? …こう考え始めるといよいよ分からなくなってくる。

 これと似たことが幼児虐待にも言える。

 幼児を虐待すると罰せられるが、胎児を虐待してもOKである。生んだ子どもにタバコの火を押し付けたり、殴る蹴るの暴行を加えたりすると幼児虐待の罪に問われるけれど、妊娠中にタバコ吸いまくったり、膨らんだおなかに猛烈なチョップをお見舞いし続けたりするのは個人の自由。

 で、「胎児」と「新生児」の線引きはどこかというと、刑法では「一部露出」説、民法では「全部露出」説と分かれるなど、これもまた微妙な問題であるらしい。でもまァ、いずれにしても、子どもは産み落とされるまでは母親の一部ということのようである。

 …結局なにが言いたいかといいますとですね。幼児虐待をエンジョイしたいお母さんは、赤ちゃんが膣口から頭を出すまでに虐めるのが得策だということでした。分娩時には己のマンコに手を突っ込み、胎児にアイアンクローや鼻フックを存分にキメるがいい。

 でも、ぼくが考えるようなことなど誰かが思いついてるにちがいない。こういう事例にそなえて既に法的解釈が整えられているのかもしれないので、安全に虐待したい諸姉はお気をつけください。

 今日の日記は、道徳的なのか非道徳的なのか、書いてる自分でもさっぱり分かりません。

 


   2002年2月のプチ日記 

Otearai Webの表紙へ